X(旧ツイッター)のトレンドに入っていた「韓国人女性」のキーワード。
内容が気になり、Xの投稿を見てみると、Netflixのアジア制作トップを務めるキム・ミニョン(Minyoung KIM, Vice President, Content (APAC ex-India))さんのビジネスインサイダーの記事でした。
「良記事」とつぶやいている人が多く、私も読んでみることに。
個人的に「日韓のコンテンツビジネス」「韓国女性のビジネスリーダー」の話には、とても興味あります。
私の周りの韓国人女性の友人たちも、みんなタフで、情熱的に働いていて、日本人の私とは違ったマインドを持っている人が多いです。そのため、会って話をするたび、彼女から良い影響と刺激を受けます。
この記事から、韓国人女性として、日本のエンタメも統括するアジアのリーダーとしての役割、気づき、仕事の哲学、アジア発信のエンタメの現在の潮流の変化などが知れ、一読の価値が十分にありました。
Netflix は、優れた人材しか雇用せず、また優秀な人材しか雇用維持しない。絶対的パフォーマンス主義・組織形成をしている会社。
キム・ミニョンさんのLinkedInを見ると7年以上もNetflixにご勤務されているので、優秀な方であることは間違いないでしょう。
今後、世界のトップ企業Netflixで、アジア人女性リーダーとして、日本のコンテンツビジネスのさらなる牽引、発展もしていっていただきたいですし、今後のご活躍も注目したいと思いました。
記事から内容をいくつか備忘録。
コンテンツ戦略
- 「世界を目指さない」「「Local for local」 自国でのヒットこそが成功」。『イカゲーム』韓国内での記録的ヒットは想定内、世界大ヒットは予想外。架空の“グローバル顧客”に向けたビジネスはやめる。ローカルのため一切妥協せず制作、アジアのリソースを欧米のためには割かない。
- コメディ・お笑いなどローカル色強いコンテンツは「自国でヒットしたけど世界では空振り」でも成功とみなす。
- グローバルの観客を見つけるのはNetflixのシステムが勝手にやってくれる。
- 逆に「自国ではダメだったけど世界ではヒットした」という作品は求めない。ヒットした国で独自のコンテンツ制作部に任せたほうがさらに良い作品に。
- 『キングダム』、『イカゲーム』、『今際の国のアリス』が世界で成功したため、ローカルスタイルで作品を制作しても、世界的な受け入れが可能な時代に。
- ハリウッドに限らず、自国の言葉や文化で世界での成功が可能であるという新たな視点が生まれ、「世界標準」に合わせるのでなく、世界を自分たちに招き寄せる考えが出て来た。
業務に対する姿勢
- ローカル戦略を重視するため社内の会話は日本語に。一部日系企業が導入した「英語を社内公用語に」の潮流に変化。(Japanは120名ぐらいの規模のようですが、外国人スタッフも多いでしょうけど、あえてフォーカルフォーカスなんですね)
- 各国のチームに質問を多く投げかけ、判断時に考えるべきことをとことん突き詰めるように仕向ける。絶対ないといけない企画(must have)か、あったらいいなか(good to have)に分け、good to haveは練り直し。(←これはどこの企業も同じかも...)
- 失敗時、自尊心が傷つくが、判断が正しかったのか現実と向き合うための振り返り必要。「だから言ったじゃないか」とか「最初から失敗すると思っていた」みたいな言葉が出る職場は不健全。Netflixのカルチャーでありビジネス戦略でもある「反対してもコミットを」「確実に利益を生み出すには健全なチーム環境」が大事。
- 日本は原作も豊富で「想像力のパラダイス」。ファンの自然増には限界がある。自身はNetflix社全体に対し日本コンテンツのすばらしさをアピールする社内営業担当
日本のコンテンツは、韓国系のコンテンツとは異なり、宮崎映画、北野映画をはじめ多くのアニメ、ドラマ、ゲーム。直近の音楽ではYOASOBIのアイドルなどJpopも、日本語のままで世界的なヒットをしていました。
ただし、記事でもあるように自然増には限りがあるので、これからは日本のコンテンツが届かない層にも届くよう拍車をかけるためにも、キムミニョンさんはアジアのビジネス発展をNetflixの本社側に掛け合い、予算獲得し、さらなる拡大につながるよう手腕を発揮されることでしょう。さらなるキャリアをどのように進めて行かれるか注目したいです。