韓国ヨギ イッソヨ

韓国の文化、ドラマ、音楽、韓国語、旅行、ITなど綴ります。

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BTS「BE-hind Story」印象的な韓国語を解析!

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BTSブームが凄いですね🔥

J-hopeのダンスの上手さと元気の良さに「何この子?」と動画に釘付けになり、V LIVEやYouTubeの動画を見るようになりました。

 

以前、大阪行く飛行機が1本違いで伊丹で出るところ見たり、BTS WORLDのアプリ公開時ソウルの地下鉄で広告が出て写真撮ったりしていましたが、

彼らにはストーリーがありますね。

韓国エンタメ業界では大手3社(SM、JYP、YG)が独占的な中、小さな会社だったBig Hitが逆境にも負けずここまでBTSを育て上げ、

数々の結果を残してきたストーリーにも自分に

와닿았다(ワダッタ、心に響く、touching)、

ハマり始めたもう一つの理由です。

 

コロナ禍の中制作された、2020年11月20日に発売アルバム「BE」の制作過程についてメンバー1:1のインタビュー形式の動画が、2月27日に公開されました。

 

1時間12分にもおよぶこの動画「無料でいいの?」と思うぐらいで、ドキュメンタリーに近い内容でした。

 

各メンバーが

 ・コロナ禍に陥った時の心情

 ・製作スタイル 

 ・どのような思いでこのアルバムを製作したか

 ・各メンバーの役割

 ・インタビューする人が相手に対しての想い

など創作活動する上での、各自の哲学的な話も含まれていました。 

youtu.be

 

私が韓国語でインタビューを聞いて、印象的だった韓国語をいくつかピックアップし、メンバーの想いを紐解いていきたいと思います。(個人的な感想です)

 

下記からの内容は韓国語中・上級的な内容なため、日本語での韓国語の読み方は省略させていただきました🙇‍♀️

 

コロナ禍のメンバーのメンタルの表現

JIN&JK:コロナで우울했다(落ち込んだ、鬱っぽかった、へこんだ)

 「コンサートをしていたのが夢のようだった」とよく話したそうです。JINが우울할 때と言った瞬間JKも握手してました。

同じ心情だったんでしょうね。

あれだけ華やかなライブや授賞式で、ARMYから歓喜の声を直接聞き、幸福感のピークをたくさん感じていたと思います。

しかしコロナで全てキャンセルになってしまい、仕事がなくなった状態の気分の落ち込みの高低差は、一般の人より大きかったと思います。

その気持ちをJINは「Abyss」で表現していったようです。

 

J-hope:온전하지 않고 불편했다(居心地悪く落ち着かなかった)

(動画23:06頃)休みたかったのにコロナで休みができたら空白の時間が「불편했다」と吐露しています。

何かしていないと落ち着かない心理的なプレッシャーも感じ「직업병:職業病」だとも語っていました。

 

そしてコロナで精神的に大変な時こそ、それを打破し人生を歩んでいこうと思い「병(ビョン)病気/瓶:Dis-ease」と二つの意味を込めて制作を始めたそうです。

「병」の歌詞に、「いつも笑顔、ステージのため、大丈夫なふりをする、自分は特別じゃないし、みんな同じ人間だ」という歌詞がありました。

華やかな世界にいるBTSだけど、一人の人間として苦労もあるし、落ち込むこともあるでしょうね。

 

かなり精神的に参っていたところからどうメンタル維持しながら抜け出すか、J-hopeとVのインタビューを見て、その気持ちの変化が垣間見れました。

 

RM: (ライブが中止になり)절벽 끝에서 할 수 있는 게 그거 밖에 없었잖아요.(崖っぷちでできることはそれしかなかったじゃないですか)

”할 말은 참 많은데 이걸 어떻게 해야 되지?

복합적인 감정으로 작업을 했었죠.

다들 힘든데 ”아 힘들어!” 이렇게 할 건 아니잖아요.

마법처럼 아름답게 만들든 긍정적으로 만들든 어떻게 변화를 좀 줘야 되는데 어떻게 할 건지 고민이 참 많았었죠.”

(動画42分25秒あたり) 

このあたりRMの当時の心情がよく伝わってきます。

コロナでとても辛い。でも、世界中の多くの人もBTSと同様に未曽有の辛い経験している。

RMも初めてのことで、その辛さをポジティブに変化させるよい魔法が最初は見つからなかったんでしょうね。

 

V: 무뎌지고 지쳤던 마음이나 번아웃 되었던 감정 (鈍ったり、疲れきった気持ちや、「Burn Out」燃え尽きた感情)
(動画1時間5分あたり)

毎日仕事が忙しく、光輝いていた日々だったのに、急にコロナで仕事も飛び、出口の見えない日々が続いたことで、今まで仕事を全てやり切った感覚に陥ってしまったんでしょうね。

 

BTSはいつも華やかで恵まれた環境にいて大丈夫そうに見えるけれども、心の中は一般の人と同じですね。

このコロナの中、メンタル維持しながら、一歩前に踏み出すために自分に何ができるかを考え、動いたことでこのアルバムの発売に繋がったと思います。

 

何十年か後にこのアルバムの曲の歌詞を見ると、当時のコロナで人の気持ちがどう変化したか、そこからどう前に進んだのか省みられるアルバムになると思います。

 

 

その他、インタビューで印象的だった韓国語をピックアップ!

JK: 자리잡은 목소리 (直訳:場所をつかんだ声)

JKは2018年8月に発表されたソロ曲「Euphoria」が一番気に入っているけど、レコーディングが大変だったと回想しています。

 

その理由として、こう語っていました。

(動画の17:10あたり)

「옛날 아기 같은 목소리랑 그리고 지금 좀 어느 정도 자리잡은 목소리 그 사이 중간 점에  있는 그런 상황이었어요」

 

(昔の子供のような声と、ある程度「直訳:場所をつかんだ声」の間にいたような状況でした。)

 

자리잡다:落ち着く、占める  자리:場所 잡다:つかむ 

という意味があります。字幕では「安定してきた声」と出ていました。

 

当時20歳だったJKは、少年から青年に変わる時で発声するのにも迷いがあったし、録音が本当に大変だったそうです。

今は23歳になり、発声もある程度安定し、成熟した声「자리잡은 목소리」が出せるようになったんでしょうね。

 

J-hope:다 컸네(ターコンネ 直訳:すべて大きくなったね。意訳:成長したね、大人になったね)

「다 컸다:大人になった」の他によく使われる「많이 컸다:たくさん大きくなった(生意気になった)」という表現があります。

 

「다」は「全て、全部、残らず」という意味があり「다 왔다:到着した」など完全に終わったニュアンスがあります。

 

一方「많이 컸다」は「たくさん」であって、過程において「まだその途中」のニュアンスがあります。

 

JKがEuphoriaの曲で「当時は子供のような声から自分の声を見つけ出す過程」と語ったり、

今後の目標など「自分の不足分を補いながら多くの人に様々な形で表現し、深く考え努力すれば、自然と自分が望む物が、自分のそばに来てくれるんじゃないか」と熱く語った姿を見て、15歳からのJKの成長を見てきたJ-hopeは、

 

もう大人になる過程の途中「많이 컸다」ではなく「完全に大人になった:다 컸다」と話したんでしょうね。

 

その後にJKが「예전의 내가 아니지: 昔の僕じゃないよ」と言っていました 笑

 

Jimin:있어요 내라고(いるじゃないですか、末っ子みたいな人)

RM : 잘 처리했어요? (うまくいきましたか?)

Jimin : 워낙 진행이 미숙하더라고요 (司会が慣れていません(未熟)でしたよ...)

RM : 누구였어요? (誰でしたか?)

Jimin : 있어요 라고 (いるじゃないですか。末っ子みたいな人)

RM : 아 정국이?   (あ、JK?)

Jimin : (長男、長男)

RM : 아 석진이  애석하긴 하죠 (あ、ソクジン、残念な感じだったんだろうね)

 

この会話、JINが2人にイジられてますね笑

 

맏내とは、내(マンネ:末っ子)からの造語で、一番上の子を指す이、형(長男)に내をつけ내と言い、K-pop系ではよく出てくる表現ですね

日本語訳には表現仕切れないので「末っ子みたいな人」と字幕で表現されていました。

 

この막내と막내 の単語、発音は注意が必要です。

 막내→망내 mang-ne(ㄱが鼻音化しㅇの発音に)舌が上につかず、口内が丸くなります

 맏내→만내 man-ne  (ㄷが鼻音化しㄴの発音に)舌が上につきます

 

「ㅇ ng」「ㄴ n」を言うのは簡単ですが、音がすごく似ていて私はなかなか正しく聞き取れないですが、韓国人はちゃんと聞き取り、言い分けていますね。

RMもJiminが맏내と言い直して、Jinのことだと聞き取っていました。

 

Jinは確かにこのインタビューを見て、回答や相手から回答を聞き出す深堀りの浅さ、そして長男だけど考えやダンス、歌が何か物足りないですね...。

なのでか、JiminやRMにも末っ子のような長男とイジられているんですかね。(個人的な感想ですみません💦)

 

 ↓最後このインタビューで私が最も印象的だった韓国語の会話です。

この会話の字幕つけられ方、悩まれたと思います。

1秒4文字、1行13文字に収まるためどこまで削ぎ落とすか。

 

RM:밥숟가락만 살짝 올리는 그럴 때가 모 아니면 도인데, 잘 올리면 기가 막히게 밥상이 차려지는 거고 

(動画46分あたり)

(直訳:スプーンを少しだけ差し出す時が一か八かなんだけど、うまく乗せられれば、信じられないぐらいに食卓を飾ってくれる)

字幕:僕がちょこっとだけ参加するそういう時が一か八かなんだけど、上手くいったら素晴らしい完成品になる

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字幕では「ちょこっとだけ参加する」と意訳されていますが、本来「スプーンを乗せる」という意味なので、RMがスプーンを置いている動作をしていますよね。

ここは韓国語の本来の意味を知ると、なぜこのRMの動作なのか分かるようになります!

 

本来の表現は「숟가락만 얺다」で、最後にいいところだけ持っていく。美味しいところだけ持っていく。横取り。

というように、あまりよい意味ではないです。

 

食事の準備は全然手伝わず、ほぼ終わったところで、最後にちょっとやってきてスプーンを差し出し食べたり、自分が、さも全部作ったかのようにふるまうことです。

 

ちなみに「숟가락」を「밥숟가락」と言い換えたり

「얺다」を「올리다」と言い換えても意味は変わりません。

 

Jimin: 밥숟가락이라니요. 굉장히 큰 역할을 해주시는데(スプーンだなんて、とても重要な役割をしてくださるのに)と言っています。

(字幕:ちょっとだけなんて、すごく大きな役割をしてくださるのに)

ここも、「最後のちょっとだけ美味しいところだけ持っていくなんて〜、そんなこと言わないでよヒョン、色々手伝ってたじゃない〜」と言ったJiminのニュアンスでしょうか。

 

前のRMの会話でも「말만 조금 다채롭게 풀면 되겠다」(言葉だけ少し盛っていけば良さそう)

骨となるSugaやホビのアイディはもうできているから、あとはRMが言葉の肉付けをしていけばいいという脈絡から、最後に「밥숟가락만 살짝 올리다」という表現をしたんでしょうね。

 

RMが自分のアイディアを最後に出すのは、正直賭けでもあると言っていました。

うまくいけば「기가 막히게 밥상이 차려진다:いい食膳になるし」という表現が、よい作品に仕上がるしねという風に伝えていました。

いや〜、RM言葉の表現力が違いますね。

 

同じような「밥숟가락 올리다」の記事です。

http://www.kstarfashion.com/news/articleView.html?idxno=129805

“YG 빅뱅 롱패딩, '평창 롱패딩' 인기에 밥숟가락 올리다”

 

 

最後にこの動画を見て

Big HitのSNS戦略、かなり練り込まれていますね。

普通だったらこれぐらいのストーリーに字幕つけて、1時間ぐらいの規模の動画だったら十分に収益上げれるだけの有料コンテンツになるのでしょう。

 

無料で各種言語で展開し、拡散し、ファンの声をさらに世界中に彼らの想いを広く届けることで、よりファン層を広めていけると思います。

 

この動画を見てさらにファン愛が強くなる人も多いんでしょうね。私も沼に入りかけています。

 

そして、RMはメンバーでは真ん中の年齢ですが、リーダーとしての役割は本当大きいですね。

RMは哲学もあるし、ロジカルに話す姿にJiminがどんどん没入して、向かい合って聞き入っていく姿も印象的でした。

そしてRMのアイディアの出し方に感銘したのか「역시 우리 형、すごいでしょ」とスタッフに指差しているのも、本当に頼れる、天才肌の우리 형とJiminが感じているんでしょうね。

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そしてRMは年下のJiminに「네가お前が」って言わず「Jimin氏」と言っていました。

若いのに人間力が違うし、達観していますね。

 

彼は将来、プロデューサー、経営、若手育成の面でも十分やっていけるでしょうね。

 

 

このインタビューでBTS個人の本質が見え、記録を出し続けるには理由がある事が分かり、彼らの印象が変わった動画になりました。

 

また韓国語のインタビューの細かいニュアンスや私が推測する彼らの心情を感じとって頂ければ嬉しいです🇰🇷

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